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2016.01.24
1からやっていく。

IMG_9279初日は、午前9時スタートだったシフトもそれは初日だからであって、普段は2交代制の朝は7時半から、午後は3時半からのスタートです。朝は、11時半からのランチタイムにデザートが出来上がっていないといけないので、ピッチをかなり上げていかないと間に合わない緊張感があります。
7時半にその日のパティスリーのシェフが来るまで、スムーズに仕事が進められるよう、一番下っ端の私が準備しておかないといけないことがあります。大まかには説明を受けていても英語だとかなり理解できていなくて、、、、日本語でフォローして貰える環境で、どんだけ救われたことか、、、。
例えば、「ポシューで取って来て、、、」と指示されても、ポシュー???となってしまうのですが、ポシューって何?って聞くと、一番奥にある倉庫のことらしく、昔そこはプロシュート(イタリア式生ハム)があったらしく、それからその場所のことはポシュー(発音が良すぎてプロシュートとは聞こえない、、)と言われているのよ。と日本語で解説して貰える有り難さと言ったら~~(感涙)

朝まず到着したら、今日使う分のフキンを折ったり、ラックに設置するトレイや容器など洗い場付近にあるものを、取りに行って補充しておく、冷蔵庫に入っているものを一旦全部上の台に出して、その日メインで作業をやっていく人にチェックしてもらう(中に仕舞うのはその人がモノを把握した上でやっていく)朝一番に焼いていくケーキに使う湯せんを作っておく、などなど細かいことを含めると、7時半までにそこまでやるには、実際6時50分にはキッチンに入っていないと心配。その日のメニューを読んで今日やることもある程度理解していないといけないのだけど、私英語読むのも遅いし、達筆な筆記体だと、読むことすら出来なかったり、、、。
今は、自転車を借して貰えることになったので、自転車通勤?ですが、それでも家を出るのは6時半よりは前だし、この時期まだ外は明るくありません。
そんなこんなですが、フォローしてくれる人がいるおかげで朝作業も、ようやく把握出来てきました。

毎朝の焼き作業。添え物のクッキー類と、ガレットも中に入れる内容は違えど、必ずあります。(アリスウォーターがガレットがすごく好きだから、必ずあるデザートなのだとか)
ケーキもその朝に焼いたものがその日に上がります。日本だと、バターケーキは、次の日もしくは2~3日目でもバターが馴染んできたくらいが一番美味しいと言う場合もあったりしますが、出来立てのフレッシュなのが一番なのだな、次の日に出すということは基本的にないので。
まかないで次の日食べれたりする時は、やったー!と内心思っている私ですが、何とも贅沢です。

朝の焼き上げ作業をスムーズに進めるために、材料は昨日のうちに全部計量までは済ませておいて、後は混ぜていくだけ!という流れでやります。テキパキやっていかないと、オーブンもこの時間までにはこのケーキは入れてしまわないと、次入れるものとかぶってしまう、、、ということになってしまうので。効率を考えると、すごくいいなと思いました。

ここにやってくる素材は、どれも今までのシェパニーズが長年かけて築き上げて来た信頼関係で成り立っているオーガニックでローカルなものばかりだからそれを思うと余計に無駄には出来ないって思う。
1から下処理していくのは、とても手間のかかること。私がひゃ~!すごい!と思ったのは、ハコベリーという、紫色した直径5ミリ程度の小粒のベリー、それに一本づつ芯がついているのです。口にその芯が残ると、後味が少し悪い、、、一粒づ指先でその芯を引っこ抜いていく、、、(指先をピンセットの様にして)何百粒もあるのを一粒づつ。ここまで、やるんだ、、、!って感心。指先はベリーの色で真紫色に染まります。素材のえぐみで、指荒れ、、、でも勝利の勲章?なのかな?汚れた手を見て、そう思っている自分。
りんごの皮も芯も種も取っておいて、後でそれだけを水と一緒に煮詰めて、ジェリーの元を作ります。自然のペクチンでゼラチン要らず、ほんとにしっかりと固まっています。煮詰めるのにも時間がかかるし、シノワで漉すのも結構大変、捨ててしまうようなものが、こうやって手間ひまかけることで一品に仕上がるのだから、やっぱりスゴイ。
これは、チームがいてのことだな~って思う。この作業、一人では出来ないよ。みんなで手分けするからこそ出来る地道な仕事です。

前回も書いた、毎日4種程のデザートの味見チェックをその時にいる皆でし終えたら、お昼12時からまかないタイム。
やっほーい。この時間、めっちゃ楽しみ。(デザートチェックと同じくらい)レストランの建物とロッカールームの間に大きなテーブルが野外にあって、そこに丁度12時くらいからまかないを並べてってくれます。(レストランの方が)私達パティスリーも、その時に昨日のデザートの残りなどを並べます。そして、ホーロー製のまかない皿一枚とり、バイキングみたいに各自とっていきます。その時間を逃してしまうと、、、、まかないもうない、、、(10分もすれば無くなってる、、、涙)私、いやしんぼだから、12時になったらまかないのことが気になって、気になって、、、でも自分からまかない行きます!とは絶対言えないので、誰かが「そろそろまかない行こう!」と言ってくれるのを待ち構えながら、作業を、、、(なんともこの集中力のなさと言ったら、、)でも、、ほんと早く行かないと、パスタとか無くなってるの、、、ここで作っている手打ちのパスタめっちゃ美味しいのです!それにたどり着けなかったら、ら、ら、ら、(悲涙)
朝シフトの時は、このお昼ごはんが私の本日のメインとなるので、どこまでも食い意地張ってる。
食べるところは、何故かパティスリーのメンバーは、レストランからカフェに上がっていくスタッフ用の裏階段にちょこんと座りながら、皆ぱぱぱっと食べていく、、、(ここでちょっとしたお喋りしたりもあるのですが、ほとんどよく理解できていない私、、、ちょっと寂しい)
私、欲張って、一皿になんやかんやと山盛りに、、、(いい歳して、ちょっと恥ずかしいのですが、、)そして、一番食べ終わるのが遅い、、、。もうみんな作業に戻っています。あっという間のまかないタイム。

午後は、明日の準備と、果物の下処理作業が続きます。後、ガレットの生地を仕込んだり、とにかく私は全て仕込み作業。クッキー類も焼き上げは当日の朝でも生地は事前に作っておくので、メレンゲ(メレンゲは特殊なので当日焼きではない)にしても午後に全部つくっていきます。
そして、午後のスタッフがやってくる前に2時から掃除タイム。一旦やっている作業の手を止めて、床に敷いてあるゴム製の重いマットを全部どけて、掃き掃除、木製の作業台がまな板代わりということも結構あるこの台を、全部ゴシゴシと洗剤をまきながら、洗って拭いてしていきます。作業台の下にある冷蔵庫冷凍庫も綺麗に拭き掃除していきます。オーブンもふきふきして。朝から溜まったゴミも外のゴミコーナーに捨てに行ったり。この昼間の2時が、メインのお掃除タイムなのです。それが終わると、先ほどの続きの仕込み作業を私はひたすら続けます。

インターンではない午後番の方は午後2時半くらいにやってきます。そうしたら、午後番の方に午前チームは今日の連絡事項をメニュー表を見ながら1から説明していきます。この時間が結構しっかりとってある。日本のキッチンで毎日こんなにコミュニケーション時間がとるとこってあるのかな?私は、大勢で働く現場にいた経験がほとんどないから知らないだけなのかもしれないのだけど、この細かい部分まで毎日のデザートの説明(聞き耳立てても、実際何を話しているのか、全く聞き取れていない、、、みんな話すの早いっ)してるのが、すごーいな~なんて。
やっぱり人数が増えれば増えるほど、伝えていくことってすごく大事なのだなぁって、その連絡タイムに実感。
いやはや、このチームワークにルーティーン作業、ちゃんと築き上げられたルールを知るって、ほんと勉強になります。

話は逸れますが、ここにきてちょっと嬉しかったこと~、生ビールのサーバーみたいな感じの形態で、炭酸水出るバージョンがあるのです!レバーを押す好きな量を注いで飲めること~。
常温の炭酸水が、口の中がシュワ~っとなって、リフレッシュっす。アイ.フィール炭酸水~!(アイ.フィールコーク~!のノリで)
そして、洗い場担当の人がいる!洗いものって結構時間のかかる作業。何かを作ると必ずあるのが洗い物。それが、洗い場専属の人がいるので、そこに持っていくだけ。なんとも有り難いことです。大きなレストランだと、この分業が成り立つのね。今までに経験していなかったから、すごーく有り難く思えます。
そんな、プチ情報でした。
また、プチ情報も盛り込みつつ、お伝えしたいと思います!では!

つづく