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2015.03.25
歩粉の活動というか、私のことですが、、、

IMG_0921歩粉というのは、私がお菓子の活動をしていくと決めた時に考えた名前。
お店をやっていると、ホコさん ホコちゃん…って呼んで下さる時があります。
それも何かだ私は嬉しくって、ホコ=私ってことが。
「ホコさん、いやスミマセン…ヒトミさん…」なんて言って下さる方に、どっちでもいいんですよ~って、にやついてしまいます。

歩粉っていうのは、デザートを召し上がって頂くカフェとして(スタートは通販でしたが)ずーーっと続いていくもんだと私自身思っていました。
私は、きっと長生きするだろうから何歳まで出来るんだろ~な、なんてぼんやり思っていたほどで。
お店を始めたばかりの頃は、スイーツ関係の雑誌にもたくさん取材して頂いて、どんな記事だったかは忘れてしまいましたが、「お店をスタートして、これからの目標は何かありますか?」と質問された時に、目標、、、はっきりその時は浮かばなくて、そんな中でも「続けていけたらいいです…」と答えたのを、覚えています。
そんな私でしたが、4年前の震災が起きた時はだいぶと混乱しました。
金曜の午後、もちろん通常どおりの営業、お客様もまばらにいらっしゃいました。いつもの場所に居た私は、すごい揺れに阪神大震災の記憶がよみがえってきて、怖くてどうしたらいいのか分からず、食器が並んでいる前面の棚を両手で押さえながら、ただ動けずにいました。
揺れが落ち着いてきてからも、とりあえずそのまま営業を続けていました。時間が経つごとにお店の前は歩いて都内を移動する人たちが増えてきて、突然「目黒方面はどちらですか?」と尋ねに入ってくる方、「どこに行ったらいいか分からなくて一人でいるのが怖くて、ここに来ました。」という方。誰しも経験のない事態に、不安を隠しきれない状態だったと思います。
その日は、埼玉から通ってくれているスタッフ、関西から遊びにきて新幹線で帰れなくなってしまった友達と、私のワンルームの小さな部屋で川の字になって寝ました。
その後も、お店を休むという選択がない私はいつものように開けっていました。私ひとりでもやれる範囲で営業したらいいのだから…と考え、もう今日は一人も来ないかもな…と思っていた矢先の閉店間際にお一人、「渋谷から歩いて来ました、仕事が早く終わることになって、まだ間に合うかなと思って…」いろんなことに判断がつきにくくなっていた私も、その時は今日開けていて良かった…と少し救われたような気持ちになりました。
ある日、私の信頼している友達数人から急に立て続けに関西に帰っては?と声をかけてもらい、その時に友達の強い何か想いが伝わってきたからか、とりあえず帰ってみよう、そう決めるとその日の内に実家の大阪に帰ってました。
大阪に着いた瞬間、ゆる~い空気感に正直ビックリしました。街が明るいし、電車内で日常の些細な会話を関西弁で話ているのを聞いただけで、ほ~っとしました、ホントはすごく気が張っていたんだな…ってそのとき気がつきました。
実家に帰っても、便座が温かいだけでも罪悪感をぬぐいされない、関東にいてたら…ってそんな想いは頭から離れません。
私の場合は、結果的に1週間ほど休みをいただき、やはり私に今出来ることは歩粉の営業だ…という考えに落ち着いたので戻りましたが、その1週間いろいろ考える時間をもてて良かった。
誰でも迷いますし、戸惑うこともたくさんあります。どんな結果であれ、その時ちょっとでもピンとくる方に動くのがいいのかなって私は思います。自分が納得するのが一番、ひとのせいにするとか何かのせいにするとかの方が後々しんどくなってしまう気がするのでね。(何でやねん!何やねん!ってツッコミ入れてることも日々ありますが、、、)
そして、帰って来てお店を復活して思ったこと。
人は、人と会って語る場所、自分に向き合う場所がこんなにも大事なんだなって。皆、温かいもの飲みながらスイーツを食べて最近のことを報告しあったり、読みたい本を持ってきてリラックスされていたり、スケジュール帳をぼんやり眺めたり、まだまだ自粛ムードな中にも、最初のほうにくる要求なのかな…なんて思いました。(その頃は物欲とか、全くというほどなかったですもの)

今回、歩粉はあの場所を借り続けることが難しくなったことがきっかけで辞めることを決めました。
あの場所が使えなくなる…そんなことを聞かされた時には、私が一番びっくりしました。そんなことあるはずかない!って思いました。
ここで出来ないのならどうしよう、また恵比寿近辺の似た感じのところを見つけて…なんてことも少し考えたこともありました。
たくさん考た結果、一旦歩粉のお店としての活動はお休みしようということ。
語学を身につけ、お菓子のことも、もっともっと知っていきたいなと思ったのです。
まだまだ知りたいこともあるし、私が感じた美味しいなってこととか、それにまつわる事なんかをお伝えしていけたらいいな、と思いました。
昨年初めて訪れた、アメリカオレゴン州のポートランド、ここで暮してそんなことに向き合ってみたいなという思いが湧いてきて、これまた決める時がきたんだなって思いました。

歩粉の閉店をお知らせしてから、多くのかたにまたお店やって下さいね。とお声掛け頂いて、それは胸がいっぱいになる嬉しさでした。お店という選択もありますが、ちょっと違ったアプローチでまた皆さまに美味しいことお伝え出来るよう、お菓子にまつわるあれやこれやを続けていきたいな…って思っています。
しばらくは、ホコちゃんの~ポートランド便り?通信?
しかも不定期便、、、まめな私でないので、、でも気が向いたら?!
ちょこっとずつでも、何かお伝えしていきたいです。
どうぞどうぞよろしくお願いいたします。
(今回も長~~い文章たいへん失礼いたしました、、)