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2015.12.21
想像していなかった移動先とは…

IMG_9481前回のつづき、突然のテーバーブレッドボランティアの卒業式?に語学学校まで止めることになるとは、、、自分でも考えてもなかったのですが、一日で気持ちが変わったのです。

テーバーブレッドでボランティアを始めるきっかけとなった時期は、学校の夏休み、どこか旅行に出たい気分でもないし、と思って学校の誰もが旅行の計画をたてているなか、私はその時間を使ってベーカリーの中に入ってみたい!と申し出たのです。(以前にも書きましたが、、、)
そんな私も、急に旅行欲にかられる出来事が。
9月の半ばに、私のお友達がポートランドに訪ねて来てくれました。久しぶりの再会、指折り数えて待つくらいその日を楽しみにしていました。ポートランドでの生活も半年近く経とうとしているのに、英語が全然のびていない、喋れない、学校が辛くなっているのもピークになるくらいで、自分を責めてばかりいました。
でも、その週末は友達がやってくるー、めっちゃ嬉しい、ただただ嬉しい、、会うなりお互い報告大会、たくさんお喋りして、カフェやファーマーズマーケットや、リクエストされていた雑貨屋にも行ったり、ファーマーズマーケットで買ってきた食材で、その日の晩はディナーを作ってもらい(超スペシャルシェフが友達で私はほんと幸せですー)その週末の最後のディナーは、私の友達も共通のポートランド在住の友達も加わって4人でのご飯会。

私の友達は、サンフランシスコ経由でポートランドに来ていました。サンフランシスコに行った大きな理由は、シェパニーズに行くため。世界一予約のとれないレストランとも言われているそのレストランに彼らは、何と3回も行くチャンスに見舞われ、その楽しい旅の思い出話もたっぷり聞いていた矢先、ポートランドの友達が近々バークレーに行くの~、シェパニーズでディナー食べるんだよーと。!!!すぐさま、私の口から、「いいなー!」って言葉が勝手に出ていました。だって、シェパニーズでの美味しいもん話を聞いたばかりで、食いしん坊の私にしたら飛びつく話です。そしたらば、「一緒に行くー?」との返事、、。まさか、「一緒に行っていいのー?!」と、私。次の日、早速飛行機のチケットを押さえていました。あっという間にサンフランシスコ行きが決まって、出掛けるタイミングってあるのだなーなんて想いながら、その日がやってきました。

私は、シェパニーズに足を踏み入れるのは実は2回目、一回目は8年くらい前、私が歩粉を始める前のナチュラルハーモニー時代の友達がグリーンカードが当たって(アメリカ永住権が抽選で当たるシステムがあるってことをその時知って、びっくりしました)サンフランシスコで住んでいたので、そのお宅を訪ねた折に。
シェパニーズはずっと憧れのレストランだったので、カフェでランチ出来た時には、もう夢の世界?みたいなぽーっとして、何を食べたのか、忘れてしまった、、のですが、あの空間での空気感だけは忘れられなくて。また行ってみたいところ、特別な場所っていう印象でした。
余談ですが、私が23~24歳くらい大阪のカンテグランテでのアルバム時代、堀井和子さんの本や雑誌オリーブの影響をすうごく受けて、一人英語もろくに喋れないのに(今もそうですが、、)一人サンフランシスコ、NY旅をした時、アクメブレッドや、チーズボードには一人で入れても、さすがにシェパニーズはお店の前で、ただ見上げるだけで精一杯でした。そして、その旅ちょっと落ち込むことも多くて、アメリカには二度と一人で来たくない!なーんて思った記憶が今ふいに蘇ってきました、、、あー、ほんと不思議、アメリカで生活するようになるなんて、20年前の私は全く考えてなかったし、もちろんちょっと前の私だって考えていなかったから。

それが、今回はシェパニーズのレストランの方でのディナー、もうこれは最上クラスです!大興奮過ぎて、もうどうにでもなれー!くらいの飛び入り参加、というのも、そのディナーの席でご一緒させて貰う4人中、3人はほぼ初対面という状態、私の食いしん坊パワーで無理やり?参加を申し出たようなもんだったので、見ず知らずの私をその席に交えさせてくれた、かずこさんに感謝。そして、その会の皆さんに感謝!
コースメニューに合わせたワインも次々とテーブルにやってきます。ワインは、もう胸がいっぱいのあまり?ほとんど飲めなかったのが、もったいないー!でもでも、お腹いーっぱい、美味しさいーっぱい、夢心地な夜を過し、その翌日には、な、な、なんと、シェパニーズのレストランのシェフのバースデーホームパーティーに私も便乗参加させて頂くことに!このディナー会に参加するまで、あまり理解できていなかったのですが、元々シェフのお誕生日を祝おうと集まったとのことで、、、
パーティーの準備を手伝ってね、と言われ。もちろん私に出来ることなら何でもー!と言ったものの、人様のキッチンでお邪魔にならないように、と思って指示通り何でもやるぞ!と少し緊張していたのですが、友達曰く「仁美さんは、ケーキ焼いた方がいいと思う、きっと喜んでくれるよー」とのアドバイス。「そ、そ、そんな、シェパニーズのシェフやら集まるシェパニーズメンバーに私のケーキなんて、、、、いやーちょっと、、」と私。そんな私に、強くケーキ作りをプッシュしてくれる友達。とりあえず行き道のスーパーで念のために材料だけは調達しておいて、その時の状況を見て出来そうな雰囲気だったらやってみる、、、ということでスーパーへ。
何にしよう、自己紹介のために持ってきていた私のレシピ本2冊から、ここは手間はかからず美味しくできる「朝食おやつ」からりんごのバターケーキの材料を買い、おうちに向かいました。
おうちに着くと、もうすでにかずこさんはパーティーの準備の料理を開始しています。「何から手伝いましょうか?もし、お邪魔じゃなかったら、ケーキ焼くことも出来ますよ、、、」と私。「わ~、ケーキだけ用意出来てなかったのー、ぜひぜひ作って欲しいー」とのリクエスト頂きました!ではでは、と、いざ作り始めると、計りというものはない、泡立て器もない、ケーキの型もない、、ないない尽くしのケーキ作りですが、鍋をボウル代わりにお玉を泡立て器代わりに、型は、オーブントースターの天板で、分量はだいたいで、、、無いならないで、何とか出来るもんですねー、ちょっと焦りましたが、ちゃんとりんごのシンプルなケーキ焼き上がりました。
その日のメインディッシュは、お庭で作る巨大パエリヤ、鍋の大きさは直径1メートル以上あります。魚のアラからも出汁をとり、パンチェッタ、たっぷりのきのこに野菜、お豆、こんな贅沢なパエリアって!最高旨味満載の一品、みんなの笑顔も最高潮!
お腹もいっぱいになってきたところで、私の飾りっけない焼きっぱなしのりんごのケーキを皆さんに、、、もう、また、どうにでもなれー!の気持ちになってましたが、美味しいよーって言ってくれてー!!とりあえず、ほっとしました。う、嬉しかったです。
その晩は、スーパームーンという特別なパワーを持つと言われるお月さんの日、パーティーの最後のお別れ時間にはスーパームーンを見ることも出来て。うーん、何とも贅沢な2日間だったなーと、ほんと夢の中の時間?みたいな?現実感も薄れてしまってちょっと、ベールがかかった記憶のような、、、。
次の日、サンフランシスコからポートランドに戻る日、飛行機の時間まで、しばしのカフェ巡り。コーヒーを飲んでる時、ふいに携帯を見ながら友達が「仁美さんに、いい知らせがあるよ!」と。
「???、私にいい知らせ???」「ジェローム(シェパニーズのシェフ)がいつでもインターンシップしにおいでよ、って言ってくれてるよ」
「???!!!!えーーーーーっ!」私、シェパニーズでインターン出来るの?いつでも???、そんな発想すらなかった私が、シェパニーズのキッチンの中に入れるなんて。
「もう、これは行くしかないよね!」と、友達。「うん、これは、行くしかないよね、、、」と、私。こんな機会、ないーーー!語学学校、止めるしかないよね、これでアメリカにいる期間が短くなろうとも、シェパニーズでの経験には代えられないわーーー。

そんなこんなで、想像を越えまくる旅となりました。ま、ま、まさか、私がシェパニーズのパティスリーに入ることになるなんて、君のケーキ美味しかったから、いつでもおいでよと!!!そんなことって、、、スーパームーンのおかげでしょうか?
いろんな偶然?、必然?不思議なタイミング、出会い、新たな出発となりました。